自己破産してもなくならない非免責債権とは?

自己破産してもなくならない非免責債権とは?

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40代という会社や組織においても最も責任の重たい仕事も大変であり、家族持ちの場合には子供も進学問題でもっともお金が必要な時期のあなた−。

 

 

そんな大変な時期のあなたが、やむにやまれない何らかの事情により多重債務に陥ってしまい、やがて月々の返済さえままならなくなり、債務不履行という最悪の悪循環状態まで落ちてしまった時−。

 

 

債務整理のための最終手段である自己破産という選択肢が唯一かつ最も妥当な解決方法になる場合が往々にしてあります。

 

 

この時、あなたは裁判所に、自己破産の申し立てを行い、破産手続きがつつがなく行われ、あなたに免責不許可事由が無ければ、自己破産が認められると同時に、免責許可決定が下され、あなたは基本的にすべての債務が免責され、借金がチャラになります。

 

 

これは主に、銀行をはじめとする金融機関や、消費者金融などの貸金業者、クレジットカード会社や信販会社のローンなどの借金の返済義務が免除されるという決定ですが、免責されない債務というものもあります。

 

 

非免責債権と呼ばれるものがそれで、これらは、破産法の253条に詳しく規定されています。

 

 

ここでは、これらの自己破産をしても免責されない非免責債権について詳しく掘り下げて考察していきたいと思います。

 

 

 

免責にならない債権(非免責債権)

一般的に、あなたが自己破産を裁判所に申し立てて、破産手続きが行われ、免責不許可事由に何か抵触しない限りにおいては、あなたは自己破産と同時に、すべての債務返済が免除される免責許可決定が受けられます。

 

 

しかし、例外的にこの免責許可決定を受けても、免除されず返済の義務が残されたままになるお金(支払い)というものがあります。

 

 

それが、非免責債権です。

 

 

この、非免責債権に関しての規定は、破産法253条の1項1号から7号に渡って、詳しく定されています。

 

 

ここでは、その内容について、ざっくりまとめて列挙していきたいと思います。

 

 

税金全般

税金を支払う行為である納税は、日本国憲法に定められている日本国民の三大義務のうちの一つであります。

 

 

これは、あなたがどういう立場であろうと日本国民である限りは、優先して行わなければならない国民の義務なのです。

 

 

ですから、自己破産して免責許可決定が下ったとしても、納税の義務から逃れられることはありません。

 

 

所得税や住民税などの、未払い分や滞納分の税金があれば、それは非免責債権となり、自己破産後でも必ず支払わなければなりません。

 

 

 

故意に財産(資産)を隠した場合

あなたが、自己破産手続きをする際に、故意に財産を隠した場合…。

 

 

そのことがバレた時点で、その隠した財産分に関しては、非免責債権となり、支払う義務が生じます。

 

 

 

また、それ以前に、その故意に財産を隠した行為が発覚した場合には、自己破産自体認められなくなる可能性が高まります。

 

 

そうなると、免責許可自体が下りなくなり、非免責債権のみならず、すべての借金はそのまま返済しなくてはならなくなります。

 

 

こういったセコくて不誠実な考えは、間違っても起こさないことです。

 

 

 

不法行為に基づく損害賠償請求権

あなたが、悪意に基づく不法行為を行った場合、すなわり、悪意による故意で、他人の生命や身体を害する行為をはたらいた場合や、重大な過失によって他人の生命や身体を害する行為をおこなった場合には、その損害賠償請求権は非免責債権となります。

 

 

 

 

親族法上の義務に係わる

養育費や婚姻費用などの夫婦間、親子間の協力扶助義務に関する費用や、親族間の扶養義務に係る債権、医療費や生活費などの請求権は、非免責債権になります。

 

 

 

雇用関係に基づく使用人の請求権等

あなたが経営者など、使用人(従業員)を雇っている場合、給料などの賃金は、自己破産して免責許可決定を受けた後でも、すべて支払わなければなりません。使用人(従業員)の賃金の請求権は、非免責債権になります。

 

 

 

債権者名簿に記載しなかった請求権

破産手続きの際に記入しなければならない債権者名簿。

 

 

この名簿に故意に債権者を記載しなかった場合に、その記載漏れの債権者の分の債権については、非免責債権になります。

 

 

 

罰金等の請求権

罰金や科料、刑事訴訟費用の請求権、および、追徴金の請求権、過料の請求権なども、非免責債権となります。

 

 

 

 

ややこしいケースについて

自己破産手続きに際して、何らかの詐欺行為を行っていた場合、その詐欺行為によって生じた損害賠償権は非免責債権に該当するんですが、その詐欺行為が『詐術による信用取引』に該当しない限りにおいては、免責不許可事由には該当しません。

 

 

このような特殊なケースは他にもあり、中にはこの法の抜け道を悪用してうまく切り抜けている人も見られます。

 

 

これは悪い例ですが、他にも、非免責債権になるのか?否か?のグレーゾーンはかなり多いので、素人には正直、判断がつきかねるケースが多々あるようです。

 

 

このようなケースに関しては、法律の専門家である弁護士に相談して、逐一知恵を拝借するのがいいでしょう。

 

 

 

最も判断が分かれ、係争件数も多いと言われる離婚に関する債権について

自己破産を申し立てる以前に借金問題が明るみに出て、そのことが原因で家庭不和、夫婦不和となり、離婚してしまうケースも多々見受けられるケースです。

 

 

多くの場合、妻に親権が与えられ、子供も元妻が引き取る場合が圧倒的に多いわけです。

 

 

そしてその後、裁判所に自己破産を申し立てて、無事、自己破産が認められ、免責許可決定が下された後でも、子供への養育費や、婚姻費用(離婚した時の取り決め次第)は、非免責債権となります。

 

 

しかし、離婚慰謝料については、免責されるケースも多々あります。

 

 

慰謝料の場合には、ケースバイケースで、その判定は違うのです。

 

 

要は、慰謝料を請求する原因によって、免責されたり非免責債権になったりするわけです。

 

 

以下に、ざっくりと、どの慰謝料なら免責で、その慰謝料なら非免責になるのか、という例を列挙しておきます。

 

 

・慰謝料の請求原因が、元夫の浮気(不倫)→免責

 

・慰謝料の請求原因が、元夫のDV→非免責

 

 

このように、夫の家庭内暴力のように、深刻で家庭生活を営むこと自体が困難で、離婚は不可避だと認められるようなケースにおいては、離婚における慰謝料も、正当な「非免責債権」として認められます。

 

 

 

(4)まとめ
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40代の働き盛りで会社(職場)でも、家庭でも責任が重く、本当に大変な人生の時期であるあなたが、やむなく自己破産する際に、気を付けなくてはいけない非免責債権について色々と考察を進めてきました。

 

 

あなたは、自己破産を選択するぐらいですから、当然経済的にはまったく余裕がなく、自己破産後であっても、免責にならない非免責債権の支払いも、まず一括で払うことはとても困難でしょう。

 

 

地方税などに至っては地方自治体が差押などの強制執行をする特権を与えられているので、あなたが誠意のない態度を取ったり、スルーを続けていたりすれば、こうした強硬手段がとられないとも限りません。

 

 

またあなたが離婚者であれば、元妻に養育費はもちろん、離婚慰謝料の支払いのための訴訟を起こされるケースも考えられます。

 

 

このように泣きっ面に蜂のような最悪な事態を避けるためにも、あなたがこれらの非免責債権に対して真摯に向き合い、一つ一つ正直に誠実に事に当たっていくより他に道はありません。

 

 

税金関係の場合でも、該当の役所の担当窓口に、あなたの現状の窮状を正直に話して、それでも未納分の税金を支払う意思はあるという誠意を見せれば、相手も無碍にはしません。

 

 

かならず、親身になって支払えるように、無理のない分割支払いのプランの提示や、支払える時期までの猶予を与えたりしてくれるでしょう。

 

 

離婚した元妻とも、根気強く話し合いを重ねて、自分が置かれている窮状を理解してもらえれば、無理な支払の要求は、マトモな人間であればしてこないでしょう。

 

 

すべてにおいて、あなたの対応力が試されるのが、非免責債権なのです。