家族に内緒で自己破産は本当にできるのか?

家族に内緒で自己破産は本当にできるのか?

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現代は、日本においても貧富の格差がどんどん広がって、かつてなら途上国のもんだいであったような「貧困問題」が現実的な問題となっています。

 

 

「子供の貧困」問題など、ここは本当に日本なのだろうか?と考えさせられます。

 

 

そういった中で、生活苦から借金をしてしまう家庭も現代では非常に多いです。

 

 

借金の原因で最も多いのが、『生活費の不足』です。

 

 

最も根本的な問題は、その家計が借金をしていかなければ回らない状態であるということなのですが、それは様々な原因がケースバイケースであると思います。

 

 

まあ、とにかくこのように借金を重ねていくと、それが積もり積もってやがて債務超過状態にまで膨らんでいってしまいます。

 

 

いわゆる借金地獄の多重債務者となってしまうわけです。

 

 

このような借金地獄の泥沼の悪循環にハマると、借金のために借金を重ねるような輪廻から脱出できなくなります。

 

 

こうなると、具体的に思い切った方策を採るしか、この借金地獄から抜け出す方策は無くなります。

 

 

その最たる救済手段が、債務整理の最終手段とも呼ばれている自己破産です。

 

 

自己破産は、それが成立して問題の無い場合は、同時に免責許可決定を裁判所から受けることができます。

 

 

免責許可とは、合法的に借金をチャラにして、返済しなくて良いというお墨付きをもらうようなことです。

 

 

しかし、実際に多重債務者が、自己破産を申し立てる際に、非常に気になることもあります。

 

 

それは、家族に内緒で自己破産ができるのか?という危惧です。

 

 

ここでは、以下において、自己破産手続きを進めていくに当たって、家族に内緒にしたまま自己破産できるのか?という論題で考察を進めていきたいと思います。

 

 

基本的には家族に内緒で自己破産は可能だが・・・

借金地獄の輪廻から抜け出すための救済措置として、是非とも自己破産して免責許可を受けたいと願う多重債務者は多いでしょう。

 

 

そしてその際に、できれば家族に内緒で、自己破産を成立させたいと願う人も多いわけです。

 

 

はたして、このように家族に内緒で自己破産することは可能なのでしょうか??

 

 

結論から先に言えば、家族に内緒で自己破産の手続きを進めていくことは可能であります。

 

 

ただし、断っておきたいのは、これはあくまでも「原則的は」という前提条件付きです。

 

 

なぜこのような家族に内緒で自己破産ができるということが基本的には可能かと言えば、裁判所の考え方があるからです。

 

 

その裁判所の考え方とは、自己破産の手続きとは、自己破産の申し立てをする申立人本人の負債と資産を清算するためのものである、とする考え方です。

 

 

そのため、仮に同居する家族と家計が同一であっても、その家族の負債と資産は、破産申立人の自己破産の手続きとは関係のない別のものと見なすという理念があるからです。

 

 

とはいえ、これはあくまでも原則的な考え方であり、理想であります。

 

 

現実のケースとしては、自己破産の手続きを家族に内緒で進めていくケースは少なく、実務上は非常に困難なことが多いようです。

 

 

以下では、家族に内緒で自己破産を進めるうえで難しいケースとはどのようなケースなのかを具体的に列挙しつつ考察していきたいと思います。

 

 

 

家族に内緒で自己破産できるかチェックシート

基本的には、家族に内緒で自己破産できるという事実はあっても、現実的にはなかなか難しいことが多いようです。

 

 

ここでは、具体的にどういったケースにおいて、家族に内緒で自己破産の手続きを進めるのが困難なのかを例証したいと思います。

 

 

−1− 借金の保証人に家族がなっている場合

貸金業者などから借金をする場合、通常必ず保証人が必要ですよね。

 

 

この保証人に家族がなっている場合には、自己破産をすれば、その借金の返済の請求や督促がすべて保証人である家族のもとへいってしまいます。

 

 

なので、このケースで、家族に内緒で自己破産するというのは、絶対に不可能です。

 

 

−2− 同居している家族が働いていて収入がある場合

自己破産を申し立てる際、申立書には、破産者の過去3か月分の給与明細書を提出する義務があります。

 

 

これと同じく、同居している妻や夫、子供などが働いていて収入がある場合には、その家族の給与明細書も提出する必要があるのです。

 

 

このことにより、このケースにおいても、家族に内緒で自己破産の手続きを進めることは不可能です。

 

 

−3− 同居している家族が年金を受給している場合

同居している家族が働いて給与を得ている場合同様、親など同居の家族が年金を受給している場合には、その年金も裁判所から収入と見なされます。

 

 

なので、過去3か月分の年金受給証明書を裁判所に提出する義務があります。

 

 

というわけで、このケースにおいても、家族に内緒で自己破産することは無理です。

 

 

−4− 自宅が持ち家であったり、住宅ローンを組んでいる場合

自宅が持ち家である場合には、資産と見なされて裁判所に差し押さえられます。

 

 

その上で、競売にかけられたり、任意売却されてりして換価処分されたうえで、債権者に分配されるわけです。

 

 

ですから、このケースでも、家族にその時点でバレますので、家族に内緒で自己破産は無理です。

 

 

−5− 自動車を所有している場合

自己破産をする申立人名義になってる自家用車は、裁判所に差し押さえを食らって、換価処分されます。

 

 

一方で、破産人本人名義ではない同居家族名義になっている自家用車は没収されることはありません。

 

 

しかし、名義が家族であっても「実質的には、自己破産する申立人の資産である」と監査の結果判断されたものに関しては、差し押さえられてしまいます。

 

 

というわけで、このケースにおいても、家族に内緒で自己破産手続きを進めることはかなり難しくなります。

 

 

−6− 家族と金銭の貸し借りをしている場合

破産人が、もしも家族にお金を貸している場合には、その貸しているお金というのは「資産」と見なされます。

 

 

資産と見なされるので、破産管財人から貸金の弁済をもとめられることもあるのです。

 

 

なので、このケースにおいても、家族に内緒で自己破産の手続きを進めていくのはかなり難しくなるでしょう。

 

 

これら6つの項目をチェックシートを作ってチェックしていき、1つでも該当する項目があれば、家族に内緒で自己破産することは無理だと思ってください。

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

 

 

多重債務者が借金地獄から抜け出して人生をやり直すために選ぶ方策であり最終手段でもある自己破産ですが、これらを家族に内緒で手続きを進めることはかなり至難の業のようです。

 

 

家族に内緒にしたい気持ちは理解できますが、本当に虚心坦懐にやり直すつもりであれば、恥を忍んで自己破産の申告の前に家族に打ち明けて理解をしてもらえれば一番良いことだと思います。

 

 

できれば、家族に話して理解してもらいたいものですが、それでもどうしても家族に内緒にしたまま自己破産を進めたいという人は、依頼する弁護士にその旨を話してじっくり打ち合わせることが大事でしょう。