自己破産したら自宅に張り紙されるドラマって本当の話なの??

自己破産したら自宅に張り紙されるドラマって本当の話なの??

 

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テレビドラマや映画には、そのエンターテイメント性を高めようとすればするだけ、巧妙なウソもよく仕込まれています。

 

 

よく、俎上に上がるものとしては、刑事ドラマで、刑事が事件の起きた現場に警察手帳を見せてズカズカ入ってくるが、実際の現場では鑑識以外は手地入り禁止であり得ないシーンであることなどが知られています。

 

 

このような捏造ともいえるフィクションのシーンは作り手は、事実を知っていてもお話を面白く盛り上げたり、観ている者にわかりやすくイメージで伝えるためにあえて組み込んでいることも多いのです。

 

 

そのようなテレビドラマのお約束のシーンの中に、自己破産者の自宅に張り紙がされるというようなものがあります。

 

 

自己破産した登場人物が自宅の玄関やタンスなどの家財道具にペタペタと張り紙が貼られて、近所の住人たちがヒソヒソと噂話などをしているといったシーンです。

 

 

こういう張り紙が自宅に貼られたせいで、自己破産したことが隣近所に周知の事実となってしまい、自己破産者本人はもちろん家族なども肩身の狭い思いをしたりイジメを受けたりするといったイメージです。

 

 

この自宅に貼られる張り紙というのは、裁判所からの差押え通知書のことですが、これが自宅の玄関や門などに貼られるということは、自宅が差し押さえられたことを宣言しているようなものです。

 

 

このようなことが現実にもあるのでしょうか??

 

 

テレビドラマによくあるこのようなお決まりの自己破産者のシーンのイメージのお陰で、債務者の中には自己破産に大きなネガティブイメージを抱き、自己破産や債務整理に踏む出せない人も少なくありません。

 

 

ここでは、以下において、こういったテレビドラマに描かれる自己破産者の自宅に張り紙が貼られてしまうのか?といった点を少し掘り下げて考察していきたいと思います。

 

 

 

「自己破産を申し立てるからこそ」貼ることができない自宅への張り紙!

前述したような、テレビドラマのお決まりの自己破産者のシーンである自宅やタンスなどの家財道具へペタペタと張り紙が貼られるイメージのせいで自己破産を躊躇する多重債務者もいます。

 

 

果たして、このようなことは現実にもあることなのでしょうか??

 

 

結論を先に言うと、自己破産することによって、自宅に張り紙が貼られることは絶対にありません!

 

 

債務者が、裁判所に自己破産の申し立てを行った時点から、債権者と言えど、自己破産申立人に対して、督促行為や強制的な取り立てや嫌がらせをすることは一切禁止されます。

 

 

このことは、裁判所の命を受けて自宅を差し押さえたりする破産管財人に関しても同様であり、自己破産申立人に対して自宅に張り紙を貼るなどという行為は絶対にしません。

 

 

もし行えば、これは違法行為であり、犯罪行為だからです。

 

 

なので、テレビドラマによく描かれるような、自己破産者の自宅に張り紙がペタペタ貼られるというような事実はなく、完全なフィクションです。

 

 

更に、テレビドラマでこれもよく見られる自己破産者の家財道具である、洋服ダンスやテレビのディスプレイや冷蔵庫などに差し押さえの張り紙が貼られるような事も絶対に無い現象です。

 

 

なぜなら、これに関しても、民事執行法の第131条の「差押禁止動産」に該当するからです。

 

 

具体的には、自己破産者の生活に欠くことができない衣服や寝具、家具、台所用品や畳や建具などの生活用品を差し押さえてはいけない、という法律が定めてあるのです。

 

 

タンスや冷蔵庫などはまさにこれに該当するので、自己破産してこれを差し押さえることはあり得ないわけです。

 

 

なので、自宅の張り紙ととともこれらも完全にテレビドラマを脚色するうえでのフィクションだと思って良いと思います。

 

 

 

自己破産を躊躇しているせいで、本当に自宅に張り紙されることも!!

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自己破産を申し立てた時点で、テレビドラマに描かれるような自宅に張り紙を貼られるような事はあり得ないことがわかりました。

 

 

しかし、現実問題として、テレビドラマで描かれるようなシーンが現実に起こり得ることがよくあります。

 

 

それはいったいどのようなケースなのでしょうか?

 

 

それは、自己破産や債務整理といった法的手段に訴えず、いつまでも借金をそのままにしているケースに起こります。

 

 

自己破産を躊躇して、債務超過にも関わらず借金をそのままにしている場合には、債権者が強硬手段に先んじて出てしまうことがあります。

 

 

つまり、債権者が債務者の財産を差し押さえの手続きを取ってしまうのです。

 

 

この場合には、債権者は債務者の自宅に差し押さえた旨の張り紙をペタペタと貼ったりもします。

 

 

テレビドラマでよく描かれるあのシーンは、実は自己破産者の自宅ではなく、自己破産や債務整理を躊躇している多重債務者の自宅への張り紙のすり替えであったわけです。

 

 

そして、このケースです、債権者は債務者の自宅のみならず、車や家財道具、預金口座や給料、積み立て型の保険など、高額な財産は全て差し押さえの対象としてくるので、気を付けなくてはなりません。

 

 

とにかく、肝に銘じておくべきことは、債務超過状態に陥ってしまい、借金地獄から抜け出せないと悟ったら、1日でも早く自己破産の申し立てを行うように動く、ということです。

 

 

債権者に先手を打たれると、自己破産する前に、自宅に差し押さえの張り紙を貼られてしまう羽目にもなりかねません。

 

 

 

自己破産した場合の自宅の扱いってどうなる??

一般的にあまり知られていないものの一つに、自己破産してからの自己破産者の自宅の扱い、というものがあります。

 

 

まず初めに、自己破産者の自宅が持ち家であった場合−。

 

 

これは、仮に住宅ローンが残っている場合であっても同様なのですが、自己破産者の自宅が持ち家の場合には、資産と見なされますから、破産管財人によって差押えられます。

 

 

その上で、競売にかけられたりして売却され、破産管財人はその代金を債権者に対して平等に配当するわけです。

 

 

しかし、実際には、売却などを経て第三者の手に渡るまでにはかなりの時間を要することになります。

 

 

そのため、その間は自己破産者は変わらずに自宅に住み続けることも可能なのです。

 

 

更に、競売の落札者が現実に明け渡しを求める場合には、居住権侵害の観点により、落札者側が、自己破産者が新居に移るのに必要な賃貸借契約料および引っ越し費用諸々を全て負担しなくてはなりません。

 

 

ですから、実情としては、短期的には居住権を脅かされるリスクはかなり低くなっています。

 

 

次に、自己破産者の自宅が賃貸住宅である場合には、これは資産として見なされないので、差し押さえられることはありません。

 

 

ですから、賃貸が自宅の場合であれば、自己破産者は変わらず住み続けることが基本的に可能です。

 

 

とはいえ、債務整理の最終手段である自己破産を行うぐらい追い込まれた人の多くは、賃貸住宅である自宅の家賃を滞納しているケースも多いのです。

 

 

そのような場合には、大家の方が家賃の賃貸にうんざいしているので、出て行ってほしいと考えているケースも少なくなりません。

 

 

このような例に該当する自己破産者の場合には、賃貸と言えども、引っ越しを考えておくべきでしょう。

 

 

 

まとめ

いかがでしたか?

 

 

テレビドラマでよく描かれる自宅に張り紙される自己破産者のイメージは間違いだということがお分かりいただけたと思います。

 

 

しかし、逆に債務超過であるにも関わらず自己破産を躊躇したり、タイミングが遅れたりすれば、債権者によって差し押さえの張り紙を自宅に貼られることもあるので気を付けましょう!