自己破産の時に気をつけておきたい退職金見込額とは!?

自己破産の時に気をつけておきたい退職金見込額とは!?

 

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借金が債務超過状態になってしまい自己破産する場合、免責許可を受けて基本的に今ある借金が全部帳消しになる代わりに、資産があれば没収されます。

 

 

通常、それらの裁判所に差し押さえになる資産というのは、自由財産と認められる範囲外の資産です。

 

 

具体的には、持ち家であったり車であったり、金融資産であったり、会社勤めの自己破産申立人の場合には給料も差し押さえ対象になります。

 

 

では、自己破産すると退職金の扱いはどうなるのでしょうか??

 

 

退職金とは、自由財産として処分対象にならないものなのか?はたまた、差し押さえ、没収の対象になる資産なのか?気になるところですね。

 

 

また、すでに退職金を受け取っている人ではなく、まだ会社に勤めている債務者が自己破産を申し立てた場合には、将来もらえる予定の退職金見込額分の扱いはどうなってしまうのか?も気になります。

 

 

ここでは以下に、自己破産した際に退職金や退職金見込額分の扱いは、ケースごとにどうなっていくのかを掘り下げて検証し考察していきたいと思います。

 

 

 

破産法上の退職金見込額の扱いと、実務上の退職金見込額の扱いの違い

自己破産を申し立てる際に、自己破産申立人が既に仕事を退職していて退職金を受領済みの場合と、自己破産申立人がまだ会社に勤めていて、退職金を貰っていない立場の場合では退職金の扱いは違います。

 

 

当然のことながら、自己破産時に退職金を受け取っているなら、その退職金分に対しては資産として処分されることになります。

 

 

それは、後に置くとして、問題は、まだ会社に勤めていて退職金を貰っていないサラリーマンが自己破産申立人のケースです。

 

 

この場合には、自己破産申立人が将来受け取るであろう退職金分、すなわち退職金見込額を算定する必要があります。

 

 

退職金見込額は、破産法においては、その4分の1が差し押さえの対象になります。

 

 

しかし、実際には、退職金見込額通りに将来退職金がもらえるとは限りません。

 

 

未来のことは不確定であり、現在勤めている会社が将来的には業績不振で倒産する可能性も、倒産しなくても突然解雇されるリスクも低くはないのです。

 

 

よって、現実の裁判所においての自己破産手続きのプロセスにおいて、実務上は退職金見込額の8分の1が差し押さえの対象となっているのが普通です。

 

 

しかも、その退職金見込額の8分の1相当額が20万円超える場合のみ、自己破産時に前倒しでお金を用意しなくてはならないのですが、20万円を超えないケースでは前倒しで支払うことは免除されます。

 

 

このように、退職金見込額の扱いに関しては、破産法上の扱いと、実務上ではかなり違うのが現状です。

 

 

 

退職金をすでに支払われている自己破産者の場合には現金保有か口座預金保有かが分かれ目

勤務していた会社を退職して既に退職金を受領している人が自己破産を申し立てる場合には、退職金そのものはあまり問題ではなく、そのお金をどういった形で保有しているかが問題になります。

 

 

つまり、そのお金が現金として保管されているなら、現金として、銀行等の預金口座に入っているなら、預金や貯金としての扱いとされます。

 

 

そして、この退職金分のお金を現金で保有しているか?口座預金として保有しているか?によって、自己破産時の裁判所の扱いは随分変わってきます。

 

 

結論から言えば、口座預金として保有しているより、現金として手元に保有している方が、自己破産した場合には得だということです。

 

 

それは以下のような理由からです。

 

 

現金保有の場合

99万円以下の現金は、自由財産と認められます。

 

 

それを超える現金分に関しては没収対象になります。

 

 

口座へ預貯金で保有の場合

20万円以下の口座預金は自由財産と認められます。

 

 

それを超える分の預貯金については没収対象となります。

 

 

このように、現金で保有している方が、79万円も自由財産として認められる範囲が広く、自己破産する場合にはお得になるのです。

 

 

 

会社勤めの自己破産者が提出する必要のある退職金見込額証明書について

自己破産を申し立てる人が、会社勤めのサラリーマンであり、まだ退職金ももらっていない身分の場合には、退職金見込額証明書を用意する必要があります。

 

 

といっても、全ての会社勤めの自己破産申立人がこの退職金見込額証明書の提出義務があるわけではなく、「勤続年数5年以上の正社員」に限り必要となるものです。

 

 

ですから、勤続年数が長くてもパートなどの身分の場合には該当ぜず、正社員であっても勤続年数が5年に満たない自己破産申立人の場合には、退職金見込額証明書の提出義務はありません。

 

 

該当する勤続年数5年以上の正社員である場合には、勤めている会社の経理や総務などに、退職金見込額証明書の発行を依頼しなくてはなりません。

 

 

これが困った問題でもあります。

 

 

この退職金見込額証明書の発行を依頼する際に、多くの会社においては、退職金見込額証明書を取得する理由や、その提出先を申込書に記入しなければならないからです。

 

 

本当の理由を書いたりすれば、自己破産を申請していることがたちまち会社にバレてしまいます。

 

 

自己破産を理由に会社が解雇することはないにせよ、できる限りは会社に自己破産したことは知られたくないでしょう。

 

 

極力、自己破産したことを会社に知られること無く、退職金見込額を算出してもらいたいものです。

 

 

そこで、有効な手立てとしては、法律の専門家でありこういった案件に対しても百戦錬磨でこなれている弁護士などに相談して、会社に不審に思われないうまい口実を考えてもらうことです。

 

 

専門家は、こういった案件には慣れているので、必ず有効な口実と手立てを考えて授けてくれるでしょう。

 

 

また、こういった人がいるかもしれません。

 

 

それは、「うちの会社は中小零細で細々やってる会社で退職金制度そのものがない。だから私にはこの退職金見込額証明書なんて関係ないわ」という自己破産申立人です。

 

 

これは大きな間違いです。

 

 

退職金制度のない会社でも、勤続年数5年以上の正社員が自己破産を申し立てた場合には、「退職金見込額0円」と記載した退職金見込額証明書の提出が必要となります。

 

 

この場合にも、経理や総務に不審に思われないように発行してもらわなければならないので、ますますもって弁護士など手練れのプロの力を借りる必要があるでしょう。

 

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

 

 

仕事を退職して退職金をすでに受領した人が自己破産する場合と、会社勤めしていてまだ退職金を貰っていないサラリーマンが自己破産する場合の退職金(退職金見込額)の扱いについて考察してきました。

 

 

既に退職金を受け取っている人は、現金で保有している状態で自己破産を申し立てるのが得だということがわかりました。

 

 

そして、今現在会社に勤めている人が自己破産を申し立てる場合には、退職金見込額証明書を会社の経理や総務に発行してもらわなくてはならないので、上手い口実を考える必要があるということです。

 

 

この場合には、弁護士などのプロに相談して、良い知恵と方策を授けてもらうことがベストでしょう。